Monyのブログ

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独立系VCを立ち上げるための経歴、能力

今回は独立系VCを立ち上げるために必要な能力、経歴など掘り下げる。

 

 

独立系VCとは

独立系VCとは初回の記事でも書いたが、

 VCをメイン事業として、独立したVC。

個人や小さい会社が多い。

IPO、会社売却などによる利益を目的としている。

主要な独立系VCとしては、最大手の日本アジア投資(東証1部上場)、

日本テクノロジーベンチャーパートナーズ、

日本ベンチャーキャピタル(東証マザーズ上場)、

フューチャーベンチャーキャピタル(JASDAQ上場)、

 新興のVCとして初回の記事でも挙げたEast Ventures、

Skyland Ventures、ANRI、Infinity Ventures Partnersなどなど。

日本最大のVCであるジャフコ野村グループの関係会社なのでコーポレート系に入る。

 

 

独立系VC立ち上げた人たちの経歴

 

 ここでは独立系VCを立ち上げた人たちの経歴を見ていきたい。

 

 

まず最初は、East Venturesの松山太河氏は早稲田大学商学部卒業後、インターネット・サービスを作るアクセンチュアに就職、その後スタートアップ企業のネットエイジに役員として参加、eグループの日本法人の立ち上げの誘いを受け役員として入り、eグループがヤフーに買収され、ITベンチャーに投資するEast Venturesを立ち上げた。DeNAサイバーエージェントGREEミクシィ、ヤフーなどから大規模な資金調達を果たした。

 

ANRIの佐俣アンリ氏は学生時代からVCを目指し、ベンチャーキャピタルをやっている人たち(上記の松山氏、下記の村口氏)と会ったり、親しくなったりした。慶応義塾大学経済学部卒業後リクルートに入社、デジタルコンテンツ新規事業立ち上げに携わる。後に上記の松山氏のEast Venturesにて支援先、Freak Out、CAMPFIREのサポートをし、スタートアップの経験を積み、2012年ANRIを立ち上げた。60社に投資を実行し、シードファンドとして最大規模となる70億円のファンドを運営している。

 

Skyland Venturesの木下慶彦氏は早稲田大学理工学部卒業後、大和SMBCキャピタル、3、4人の独立系ベンチャーインキュベーションファンドを経て、2012年、26歳で主にシード期のベンチャーに投資するSkyland Venturesを立ち上げ、2014年LINEなどから3億円の資金調達を成し遂げた。

 

Infinity Ventures Partnersは田中章雄氏、小野裕史氏、小林雅氏が共同代表を務めている。

田中氏はカナダ、ブリティッシュコロンビア州立大学で修士号修得。アメリカのソフトウェア会社マクロメディア日本法人CTO、米国本社CEOアドバイザーを経て、Adobeマクロメディア合併後、Adobe本社でアジアを中心に国際ベンチャー投資を統括し、日本、韓国、インドなどでインターネット、モバイル系の投資、M&A案件をリードした。その後Infinity Ventures Partnersを共同設立、北米・アジアのネットワークを生かして、中国を中心に投資を行っている。

小野氏は東京大学大学院時代から個人でモバイルメディアのプロデュース、2000年から株式会社シーエー・モバイルの創業に携わり、モバイルメディア、コマース、コンテンツなど複数の事業を立ち上げ、100以上のモバイルサイトの立ち上げをリード、モバイルビジネスのリーディング企業に成長させた。その後同社を退社し、Infinity Ventures Partnersを共同設立、国内外でモバイルを中心に投資を行う。

小林氏は東京大学工学部卒業後、1998年アーサー・D・リトルに入社。エレクトロニクス・情報機器・通信関連の新規事業立案に従事し、ベンチャーインキュベーション事業の立ち上げ、2001年にエイパックス・グロービス・パートナーズに入社。累計400億円のベンチャーキャピタルファンドの投資を担当。インターネット・モバイル・ソフトウェア産業を得意とし、グリーの社外取締役も務めた。その後Infinity Ventures Partnersを共同設立。

 

日本テクノロジーベンチャーパートナーズは1998年ジャフコ出身の村口和孝氏によって設立、日本初の投資事業有限責任組合、個人のベンチャーキャピタリストが運営するVCファンドである。

村口氏は慶應義塾大学経済学部卒業後、ジャフコに入社。証券アナリストの資格を持っている。主な投資先としてDeNAがある。

 

フューチャーベンチャーキャピタルは1998年三井住友銀行日本アジア投資出身の川分陽二氏が設立した独立系VC。日本テクノロジーベンチャーパートナーズとならんで日本初の投資事業有限責任組合の一つ。2001年JASDAQ上場。

川分氏は京都大学法学部卒業後、住友銀行で12年間営業の現場で働き、1989年、日本アジア投資に転職、日本企業のASEAN進出を金融と情報で支援。大阪支店長として、4年間に27社のベンチャー企業を支援、9社が上場した。現在はフューチャーベンチャーキャピタルを退社、2013年にフリーバンク株式会社を設立し、同社CEOとしてベンチャー企業コンサルティング、VC部門も設立、運営を行っている。

 

 

 

独立系VCを立ち上げるために

これまでざっと7名ほどVCを立ち上げた人たちの経歴を見てきた。

独立系VCを立ち上げるための経歴、能力といったものを見ていきたい。

7名しかまとめていないのだが、こうしてみるといろいろな独立系VCの設立の仕方があるとわかる。

 

 

まず多いのは事業の立ち上げに関わり、スタートアップに魅力を抱いた人たち。

松山氏、佐俣氏、小野氏、小林氏の4名が事業の立ち上げに携わっている。

また自らで複数の事業を立ち上げている方もいる。

立ち上げに携わったことでそのノウハウを提供できたり、事業を立ち上げたことで培った人脈(その分野の専門家、スタートアップを得意とする人、金融機関の人などなど)を使えたり、また成功し、IPOすることで大金を手にし、自身のVCに還元できると予測される。

また松山氏、小野氏のように自身の強みであるインターネット・モバイルを生かしたVCもあることが分かる。

 

 

次は他のVCに入った、またはベンチャー投資を経験し、独立した人たち。

佐俣氏、木下氏、田中氏、村口氏、川分氏がそうである。

やはりVCに携わった経験は生きてくるのだろう。

VCに携わったことでVCのノウハウ、自身が抱えていた顧客から得られるさらなる顧客、VCの人脈が大きく生かされているのではないか。

 

また、田中氏のように自分の強みのある地域を持つこともその市場において優位に働いていると言えそうである。

 

 

他には佐俣氏の学生時代からVCに興味があり、VCをやっている人たちに会いに行ったというのが興味深い。

そのVCのやっている人と親しくなり、その人のもとで働くことでスタートアップの経験を得たり、VCノウハウを得たりと現場でしか得られない経験を得ることができたのではないだろうか。

松山氏もシリコンバレーでVCに片っ端から連絡し、会うことを試みたという(すべて失敗したらしいが、シリコンバレーのVCについて詳しくなったという)。

 

 

総じて、スタートアップの経験、VCの経験がやはり独立系VCに必要といえそうだ。

プラスαで自らの得意分野(インターネットや地域など)を持っていることがさらなる強みになりそうである。

 

次は独立系VCを立ち上げるための資金、それぞれの投資分野なども見ていきたい。